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特別支援教育におけるICT活用と注意点

ここでは、ICTを活用した特別支援教育の方法と注意点について、わかりやすく解説します。

特別支援教育におけるICT活用の基本

ICT導入の背景と国の方針

近年、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」により、全国の学校で児童生徒一人ひとりに端末が配布され、ICT(情報通信技術)を活用した学習環境の整備が進んでいます。この取り組みは、特別支援教育の現場にも大きな変化をもたらしています。

ICTは、単なる便利な道具としてだけでなく、学びに困難を抱える子どもたちの理解・表現を支援し、より自立した学びを実現する手段として注目されています。

ICT活用の2つの視点(学習支援と生活支援)

特別支援教育におけるICT活用は、主に以下の2つの視点から進められています。

障害種別にみるICT教育の方法と工夫

視覚障害:音声・拡大表示による支援

視覚障害のある児童生徒には、画面の拡大表示や色のコントラスト変更機能、音声読み上げソフト(スクリーンリーダー)などのICTツールが有効です。これにより、教科書や板書の内容を、それぞれの見え方に応じた方法で理解できるようになります。

また、タブレットのカメラ機能を使って板書を撮影し、拡大表示することで見やすさを確保できます。

聴覚障害:文字化・映像提示の工夫

聴覚に困難を持つ児童生徒には、音声情報をリアルタイムで文字に変換するアプリや、大型ディスプレイによる視覚的な情報提示が効果的です。授業中のやり取りを文字で理解できることで、学習の参加度が高まります。

また、動画教材に字幕をつけることで、より深い理解を支援できます。

肢体不自由:入力支援・遠隔学習の活用

身体の動きに制限がある児童生徒には、タッチ操作やスイッチ入力、視線入力といった代替操作手段の導入が有効です。自宅療養中の子どもに対しては、タブレット端末やビデオ通話システムを活用した遠隔学習も行われています。

ICTは、教室にいなくても学習や他者との交流を可能にする手段として、多様な活用が進んでいます。

知的・発達障害:視覚教材やスケジュール管理の工夫

知的障害や発達障害のある児童生徒には、イラストや写真を多用した教材やスケジュール管理アプリ、リマインダー機能が効果的です。こうしたICTを活用することで、見通しを持って学習に取り組みやすくなり、不安や混乱の軽減にもつながります。

また、図と音声を組み合わせた多感覚教材や、アニメーションで重要な部分を目立たせる工夫も、集中力の維持に役立ちます。

ICT活用における注意点と現場での配慮

教育の本質を見失わないICTの使い方

ICTはあくまで学習支援のための手段であり、使用そのものを目的とするのは本末転倒です。例えば「文字を書く力を育てる」授業において、ICTによって単に打ち込みやすくするだけでなく「自分の考えを文章化する力」の育成に寄与しているかどうかを常に意識する必要があります。

アセスメントと個別支援計画の重要性

ICT機器の活用は、児童生徒一人ひとりの障害の特性や発達段階に応じて、導入することが大切です。導入前にアセスメントを行い「何が苦手で」「どのような支援が必要か」を明確にすることが求められます。

また、個別の教育支援計画の中に、ICTの活用方法や指導目標を盛り込むことで、支援の一貫性と効果が高まります。

教員研修・保護者理解の必要性

ICTを効果的に活用するためには、教員がツールの機能を正しく理解し、実践できるスキルを身につけていることが前提です。また、保護者にもICT活用の目的や意義を伝え、家庭でも一貫したサポートができるよう理解を促すことが重要です。

データ活用・プライバシー管理への配慮

ICTの活用においては、児童生徒の学習記録や映像・音声データが扱われるため、個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。クラウドサービスを利用する際には、利用規約の確認やデータの保存・共有方法に関する校内ルールの整備が求められます。

まとめ|ICTは目的ではなく、支援の手段である

ICTは、特別支援教育を支える重要な手段の一つです。しかし、どのような技術も、子どもたちの「わかりたい」「伝えたい」「できるようになりたい」などの意欲に寄り添ってこそ意味を持ちます。

大切なのは、ICTを使って「何を達成したいのか」を明確にし、子ども一人ひとりの状況に応じた活用法を見つけることです。教員や保護者、支援スタッフが連携しながら、ICTを通じて子どもたちの学びと生活の質を高めていく取り組みが、これからの特別支援教育において不可欠となるでしょう。

あったら便利機能の搭載も調査

叶えたい授業スタイルは…?

授業支援システム・ソフトには、授業の質を高める機能が充実したもの、初めて端末を利用した先生でも、円滑に効率よく授業を進められるようにサポートするものまで、機能は各製品によりさまざま。自分達が抱えている課題や導入端末に合った授業支援システム・ソフトを使用することで、授業がもっとしやすくなります。生徒の画面を確認できるモニタリング系・生徒同士の交流を強化できる共有系・生徒自身の自主的な学びを助ける教材系など、人気の授業支援システム・ソフト3製品の特徴について紹介します。

先生と生徒の双方向授業を
サポートしたいなら

モニタ
リング系

Win Bird
(ウィンバード)
授業⽀援
for Chrome / Edge
ウィンバード授業⽀援for Chrome

引用元:ウィンバード (https://www.winbird-gp.co.jp/)

「双方向授業」「複線型授業」をICTでサポート
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • 新たな負荷なく、普段の授業の延長でICTを活用した授業が可能
  • 教科を問わず様々な授業で使える汎用性
  • どのアプリを使用していても、生徒画面の確認やロックが可能
公式HPで詳しく

生徒同士の協働的な学習を
サポートしたいなら

共有系

ロイロノート・
スクール
ロイロノートスクール

引用元:ロイロノート・スクール(https://n.loilo.tv/ja/)

生徒の思考力・表現力を高める授業が可能
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • 英語4技能「聞く」「読む」「話す」「書く」アップに便利な機能搭載
  • カードを繋げるだけで、簡単にプレゼン資料の作成が可能
公式HPで詳しく ※ロイロノート・スクールでは
現在電話受付を行っていないようです。

ノート用にICTを
活用したいなら…

共有系

MetaMoJi
ClassRoom
MetaMoJi ClassRoom

引用元:MetaMoJi ClassRoom(https://product.metamoji.com/education/)

生徒の思考力・表現力を高める 授業が可能
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • ペンの種類とバリエーションが豊富!紙に文字を書くような自由自在な手書き機能
  • 学校向け手書き入力「mazec(マゼック)」を標準搭載で漢字の書き取り練習や漢字学習が可能
公式HPで詳しく

授業準備の負担を
軽減したいなら…

共有系

スクールタクト
スクールタクト

引用元:スクールタクト(https://schooltakt.com/service/)

教材テンプレートが豊富で、オリジナリティ溢れる授業が可能
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • 6,000点以上の課題テンプレートが使用可能
  • 授業準備や生徒の評価にまつわる業務負荷を軽減
  • 生徒の回答状況が一覧で表示、進捗を確認しながら授業を進行
公式HPで詳しく

主体的な学びを
支援したいなら…

教材系

ラインズeライブラリアドバンス

引用元:ラインズeライブラリアドバンス(https://www.education.jp/education01/education01_1/)

生徒それぞれが自分で学ぶことを助けるサービス
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • 学習状況に合わせた個別課題の出題機能
  • 生徒一人一人で背景画像などを自由に設定できる
  • メッセージのやりとりが可能なコミュニケーション機能を搭載
公式HPで詳しく

生徒自身の自主的な学習を
サポートしたいなら

教材系

ドリルパーク

引用元:ドリルパーク(https://www.teacher.ne.jp/miraiseed/products/drill/)

生徒それぞれが自分で学ぶことを助けるサービス
あったら便利!注目機能
  • ⽣徒画⾯の確認

  • 学校外での活用

  • 画面共有

  • 教材の有無

特徴

  • 知識の定着や理解を深めることを目的としたドリル設計を採用
  • 正解数などに応じメダルやポイントをプレゼントすることでやる気アップ
  • 学び直しアダプティブドリルを収録してつまづきを防ぐ
公式HPで詳しく

▼選定条件
2024年9月5日時点、「授業支援システム」と「デジタルドリル」でGoogle検索して表示された50製品のうち、公式HPに導入実績・事例の掲載があり、小学校・中学校を対象学年に含んでいるそれぞれ15製品を抽出。
そのなかから、以下の条件で3製品を選出。

・ウィンバード授業支援 for Chrome / Edge:15製品のなかで、もっとも導入学校数の実績が多いため、双方向授業の展開に際して実証された教育効果を求める学校におすすめ
・ロイロノート・スクール:15製品のなかで、唯一初年度の利用料金が無料のため、協働学習の展開に際して正式導入前に効果を試したい学校におすすめ
・ドリルパーク:15製品のなかで、もっとも問題の収録数が多いため、個別学習の展開に際して多様な学力レベルに対応したい学校におすすめ

叶えたい授業スタイルで選ぶおすすめの授業支援システム3選
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